相談事例

徳島の方から遺言書についてのご相談

2019年09月19日

Q:趣味の団体に遺産の大半を寄付したいが、遺言書などは必要ですか?(徳島)

徳島に在住する、長きにわたり会社を営んできた71歳の独身男性です。会社の経営権は数年前にビジネスパートナーに譲渡し、現在は不自由なく暮らせる程度の財産を元手にのんびりとした余生を楽しんでおります。しかしながら生涯独身のため、徳島から離れたところに住む、全くと言っていいほど親交のなかった甥っ子が相続人になるのではないかと思われます。

ほとんど交流のない甥っ子に財産を譲るよりは、遺産の大半を子供のころから大好きだった、動物保護団体に寄付したいと思っております。徳島にもお世話になっておりますので、寄付先は徳島の団体に目星をつけておりますが、自分が亡くなった後、確実に寄付されるのか不安が残ります。

遺産を寄付するには遺言書などは必要でしょうか?また何か準備しておくことがあれば教えて頂けますか?(徳島)

 

A:まずは公正証書遺言を作成し、遺言執行者を指定しておきましょう。

寄付先に遺産を確実に寄付するためには、まず遺言書を作成していただくことが必須になります。遺言書がないと推定相続人である甥御様が相続することになります。甥御様のご意志で寄付をすれば別ですが、ご相談者様の安心のためにも遺言書で残すことが確実といえます。遺言書は何度も作り直すことが可能ですから、時期早々ということはございませんので、今からでも作成しておくことをお勧めします。

次に遺言書の形式についてですが、通常時に作成する遺言書には、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言とあります。今回のケースでは、遺言者が伝えた内容をもとに公証役場の公証人が文章をおこし、作成をする公正証書遺言をおすすめします。公正証書遺言は、法律の知識を備えた公証人によりチェックが入りますので、確実かつ有効性のある遺言書の作成が望めます。またメリットとして、公証役場において遺言書を保管するので紛失の心配もなく、相続発生後の遺言書の検認手続きが不要ですので、すぐ手続きに着手できます。

さらに、相続人以外の団体へ寄付したいというご希望ですので、遺言書の内容を実現することを目的として必要な手続き等を行う、遺言執行者を決めた方が良いでしょう。遺言執行者は遺言書によって指定することができます。今のうちに信頼できる人に公正証書遺言の件と併せてお伝えすれば安心です。また寄付先によっては現金(もしくは遺言執行者により現金化した財産)しか受け付けない場合もあるので、寄付先に正式な団体名とともに確認しておくことをお勧めします。

なお、ご相談者様の遺産全額を寄付した場合でも、甥御様には遺留分はありませんので、寄付先には遺留分を請求されませんのでご安心ください。ご相談者様ご自身の意思により、どの財産を誰に遺贈するかを決めることが可能ですので、まずはご検討ください。

ご家族の将来は遺言書の有無、またはその内容により大きく左右されるのです。

 

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